椎間板ヘルニアという病気を聞いたことはありますか?椎間板ヘルニアは、主に腰や足の痛み・しびれを引き起こす整形外科の分野でも有名な病気です。
自分が椎間板ヘルニアだという方や、周囲の人が椎間板ヘルニアだという方も多いかもしれません。
背中の骨は、脊椎という24個の骨が積み重なってできています。そして、その脊椎を1つ1つつなぎ合わせてクッションの役割を果たしてくれているのが「椎間板」という組織です。椎間板は柔らかいコラーゲンや軟骨成分でできています。
椎間板ヘルニアとは、この柔らかい椎間板の一部が飛び出て周りの神経を圧迫し、腰の痛みや足のしびれを引き起こす病気です。腰に症状が出てきたものを腰椎椎間板ヘルニアと言います。
椎間板ヘルニアが重症化してくると、足が上がらなくなったり、感覚がなくなったり、尿の出が悪くなることもあります。
椎間板ヘルニアは20代に多い病気で、加齢とはあまり関係ないことがわかっていますが、30~50代の方や高齢者の方でも発症する可能性があります。
椎間板ヘルニアが起こるのは、腰へ大きな負担がかかったときです。
特に前かがみで重い荷物を持ったときなどに生じ、他には激しいスポーツなどで起こります。また、デスクワークのサラリーマンや長時間座りっぱなしの運転手などに多い病気でもあります。
腰が曲がった状態で大きな負担が加わると、背中や腰の筋肉も強く働いて椎間板内圧が高まり、椎間板が神経の方へ飛び出しやすくなるのです。
これが慢性的に続くと椎間板ヘルニアになります。
椎間板ヘルニアのほとんどは、2~3カ月で自然に治癒すると言われています。
これは自己免疫作用が働き、飛び出た椎間板を処理してくれるからです。わかりやすく言い換えると、自分の免疫細胞が飛び出た椎間板を食べてくれる、ということです。
椎間板ヘルニアの治療の第1選択は「保存療法」です。
痛み止めを飲んだりしながら、症状が良くなるのを待ちます。必ずしも手術が必要というわけではないので安心してください。
ただし「足が上がらなくなった」「感覚がなくなった」「尿の出が悪くなった」など重症の場合は手術が選択されることもあります。治療の仕方は病状によって変わってくるので、まずは整形外科を受診しましょう。
椎間板ヘルニアには運動療法も大切です。
ここでは椎間板ヘルニアに効果的なマッケンジー体操をご紹介します。
椎間板ヘルニアにおいては、腰を曲げると椎間板が神経の方に飛び出してしまい痛みがひどくなる場合があります。
マッケンジー体操は腰を反らす運動なので、椎間板が神経の方に飛び出すのをおさえながら運動できます。
痛みの症状がおさまってきたらゆっくりと腰を動かす運動をしていきましょう。
痛みが強くなる場合はやめるようにしてくださいね。
湯川鍼灸院ではご自宅でできる腰椎椎間板ヘルニアの運動方法についてお伝えしていますが、腰は症状がひどくなると慢性化してしまう可能性もありますので我慢せず、まずは整形外科を受診しておくことをおすすめしています。
鍼灸治療では、五臓(肺・心臓・脾臓・肝臓・腎臓)のバランスを整え、人間にもともと備わっている自然治癒力を高めていきます。
特に腰椎椎間板ヘルニアにおいては、回復の上で免疫機能が重要となってくるため、鍼灸治療は非常に有効です。
また腰椎椎間板ヘルニアでは、腰や足の筋肉が異常に緊張していたり、ゆるみ過ぎていたり、少しの刺激で痛がったり、皮膚が熱をもっていたりする部分があります。
鍼灸治療によりこれらを元の正常な状態に近づけていくことで、腰や足の痛み・しびれを和らげ、少しずつ普段の生活に戻っていくお手伝いをしています。