腰痛はさまざまな原因が考えられます。
デスクワークなど長時間同じ姿勢をしていたり、介護や重い荷物を持ったり運んだりする仕事をしていたり、運動のやりすぎや無理に身体を動かしたりなど、日常生活の中で腰に負担をかけていることも多いです。
このような筋肉の張りや炎症により起こる腰痛や、長期間腰に負担をかけたことで椎間板に異常が生じる腰痛、他にも背骨や内臓が原因の腰痛もあります。
しかしながら腰痛の原因が特定できるのは10-15%程度です。9割程度、腰痛の原因は特定できません。そのため病院で検査をしたとき、腰痛症や坐骨神経痛と診断されることが多いです。
「腰痛症」は腰が痛い症状、「坐骨神経痛」は坐骨神経(お尻から足にかけて通っている神経)が痛いという患者さまからの訴えを病名にしているだけなのです。つまり正式な病名ではありません。
治療法としては痛み止めや湿布を処方することになります。
腰椎椎間板ヘルニアとは、加齢や腰椎への長期間の無理な負担などが原因で起こります。
腰椎と腰椎の間にある椎間板の線維輪に亀裂が生じ、クッションの役割を果たす内部の髄核が亀裂から出てきてしまい、それが神経を圧迫して症状が出ます。
腰椎椎間板ヘルニアの症状としては、腰からお尻にかけて痛みが出て、下肢痛、下肢のしびれ、筋力低下などが現れます。
病院では、レントゲンやCT/MRIなど検査を行い診断されます。腰椎椎間板ヘルニアの治療は、症状により異なりますが多くの場合は保存療法をとることが多いです。痛みが強い場合には、安静にしコルセットによる固定を行うこともあります。保存療法では痛みをやわらげることが中心となります。
「ヘルニアは手術が必要」という時代ではありません。
腰椎椎間板ヘルニアは、どのような保存療法を選び適切な処置を行っていくかが大切になってきます。
脊柱管狭窄症とは、椎間板や椎間関節の老化により脊柱管が狭くなり、脊柱管の中を通っている神経が圧迫されるために痛みやしびれが起こる症状です。
また、生まれつき脊椎の中を通っている脊柱管が狭い場合もあります。
腰部脊柱管狭窄症では以下のような症状が見られます。
腰部脊柱管狭窄症の治療は、保存療法や薬物、注射による治療、手術療法があります。
保存療法で改善が見られない場合や膀胱直腸障害、筋力低下筋萎縮、間欠性跛行の距離の著しい低下(100m以下)などは手術の検討が必要になります。
高齢者の方が尻もちをついたなどの外傷による腰痛は、圧迫骨折の可能性があります。
腰そのものが悪くなくても、内臓の病気などで腰痛という症状で現れることがあります。「じっとしていても痛い」、「痛みが日に日に増していく」などの場合は迷わず病院を受診しましょう。
当院の腰痛治療は、東洋医学的に診断を行い、それに従って治療していきます。五臓(肺・心・脾(ひ)・肝・腎(じん))のバランスを整え、自己治癒力を高めていくのです。
患者さまからよくお話しを伺い、身体全身の状態をしっかり診させていただいて治療していきます。
治療をしていると、筋肉が異常に緊張している箇所があったり、その逆で力がない感じであったり、少しの刺激で痛がったり、皮膚が湿っていたり、乾燥していたり……身体は異常を訴えているのが分かります。
これらを正常な状態に近づけていくことによって腰痛を改善していきます。
しかし、腰痛に関してはこれだけでは改善が見られにくく、筋肉のバランスも見ていく必要があります。
腰の前傾が強かったり、極端な反り腰だったりすることがあります。
これは腰椎と腸骨(骨盤の骨)をつなぐ筋肉が常に緊張していたり、弱かったりすることで起こります。
この筋肉(腸腰筋)に直接鍼で刺激を与える(この場合は接触鍼でなく刺入鍼を使用します)ことと、筋肉をダイレクトに伸ばし、緊張を緩めるストレッチを併用することで効果が上がります。
これらを総合的に行うことによってつらい腰痛を取り除いていきます。