神経痛

神経痛

「神経痛」と聞いて、ご年配の方がなる「病気」と考えている人は多いのではないでしょうか。
実際は老若男女問わず起こりますし、病気に伴って起きる「症状」を指し、原因は別のところにあることが多いのです。

神経は、中枢神経と末梢神経という2種類があります。
中枢神経は大脳から始まり背骨の中の脊髄を通る太い神経で、そこから網目のように全身に広がるのが末梢神経です。
神経痛とは末梢神経に問題が起き、その神経が通っている部分に起こる急激な痛みのことをいいます。

神経痛の主な種類と症状・原因

神経痛

神経痛には、神経が通っている部位によってさまざまな種類があります。
代表的なのが以下の3つです。

三叉神経痛

目の奥付近にある三叉神経節から、こめかみ~目、頬、顎の3本に枝分かれした三叉神経に起こる痛みです。
刺すような鋭い痛みが突然顔の片側に起こります。食事中や歯磨き中、洗顔中、くしゃみ、あくび、冷風などの刺激で発症することが多いです。
女性のほうが男性よりやや多く、特に40代~50代に発症しやすいといわれています。

原因には突発性と症候性(二次性)があり、突発性は三叉神経が周囲の血管に圧迫されて起こると考えられています。
また、症候性とは病気の一症状として起こるもので、脳腫瘍や脳動脈癌などが原因となります。

坐骨神経痛

坐骨神経は腰からお尻、太ももの後ろ、ふくらはぎの前後、足先までつながる、末梢神経の中で最も長く太い神経で、圧迫されると痛みやしびれ、麻痺などが起こります。
症状は一部分だけの場合もあれば脚全体に出ることもあり、悪化すると歩行が困難になったり休んでいても痛みが起きたりするようになります。

坐骨神経痛を引き起こす病気としては、若い世代は椎間板ヘルニアや梨状筋症候群、50代以降は腰部脊柱管狭窄症などが多くみられます。
原因は、悪い姿勢での長時間の動作や作業、運動不足、加齢などがあげられます。
しかし、中にはこれらの疾病の症状がないにもかかわらず、痛みなどが起こる症候性の場合もあります。

肋間神経痛

肋骨に沿って走る肋間神経が痛む症状が肋間神経痛で、中年以降によく発症します。
痛む場所は主に背中から脇腹、胸からおへそあたりの肋骨に沿った部分で、中には心臓が締め付けられるような痛みを感じることもあります。

肋間神経痛を引き起こす病気には、胸椎椎間板ヘルニアや脊椎腫瘍、肋骨骨折などがあり、これらの場合は身体を動かした拍子に強い痛みが起こります。
また、帯状疱疹が胸部に起こった場合も肋骨が痛みますが、この場合は皮膚表面がヒリヒリするような痛みです。

この神経痛もレントゲンなどで異常が見つからない突発性の場合があり、疲労や睡眠不足、ストレスなどが要因ではないかと考えられています。

神経痛の治療

神経痛は、まず内科や神経内科、整形外科などで診察を受け、原因を調べることが大切です。
神経痛が起こる部分によって頭部や腰部などのMRI検査を受けたり、帯状疱疹が原因と思われれば血液検査をしたりして、原因を特定し、それに合った治療を行ないます。
椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など、原因が判明している症候性神経痛の場合は、原因となる病気を治療しながら痛みを和らげていきます。

また、原因不明の突発性神経痛の場合は、痛みやしびれ、麻痺などを抑えることが目的の薬物療法や保存療法、理学療法などを行ないます。
鎮痛薬や筋弛緩薬、ビタミン剤などを処方したり、休養を取ったり、牽引やコルセットの装着、遠赤外線治療などを行ないます。
しかし効果があまり出ない場合は、神経ブロックで痛みを感じさせなくしたり、手術することもあります。

自分でできる神経痛の予防と改善法

神経痛は神経が圧迫されることで起きる症状です。
圧迫されないよう、正しい姿勢を保つよう心がけましょう。
スマホやパソコンを長時間使用する場合は、猫背にならないよう注意し、時には伸びをしたり首を前後左右にストレッチすしたりして、筋肉の柔軟性を保つことが大切です。

また、冷えは血管を収縮させ、神経を圧迫して痛みを強くしてしまいます。
ぬるめのお湯でゆっくり入浴すると血行が良くなり、神経が圧迫されなくなるので痛みが和らぎます。
首、手首、足首の「3つの首」は太い動脈が通っているため、この部分を温めると血液の流れが良くなります。

さらに、ストレスを溜めないようにすることも効果的です。
ストレスは血管を収縮させ、血流を悪くしてしまいます。

少しでも痛みを和らげられるよう、日頃から姿勢など自分でできることも試してみるといいかもしれません。

当院で行なう鍼灸治療で期待できる効果

神経痛の痛みは鎮痛薬や休息を取ることで、ある程度は抑えることができます。
しかし薬が切れるとまた痛み出しますし、なかなか充分な休息を取ることも難しい方が多いと思います。

そこでお勧めしたいのが、鍼灸による痛みの緩和です。

鍼灸治療では、痛みやしびれの起きている部分だけでなく、全身を診て根本の原因を探り出します。
たとえば、肋間神経痛や坐骨神経痛を起こしている原因の一つに、悪い姿勢があります。
姿勢が悪いと背骨や骨盤、股関節などが歪むため、胸や腰、お尻などの筋肉に負担がかかって硬くなり、神経を圧迫してしまうケースが多いのです。

鍼灸では西洋医学とは違う角度から痛みの原因を探り、神経痛を和らげていきます。
また、薬と違って副作用もありませんから、安心して施術を受けていただけます。

当院ではさまざまな神経痛を和らげる治療を行なっておりますので、痛みやしびれなどの症状にお悩みの方はぜひご来院ください。