60代以上の患者様のお話を伺っていると朝方のこむら返りで困っている方が驚くほど多くいらっしゃいます。
こむら返りは「足がつる」とも言います。よくある症状としては、寝ているとき朝方突然ふくらはぎに激痛が走って目が覚める、水の中で泳いでいるときにふくらはぎが突っ張ったような感覚で激痛が走る、などがあります。
こむら返りは筋肉が急にけいれんして起こります。ふくらはぎ以外でも起こるのですが、特にふくらはぎで起こりやすく、しかも激痛を伴うことが多いです。
なぜ突然筋肉がけいれんを起こすのでしょうか?
こむら返りの原因はさまざまです。
しかしながら、病院に行ってもどこも悪いところが見当たらない原因不明のこむら返りもあります。
実は年齢とともに睡眠中にこむら返りになる回数が増える傾向があるのです。高齢になると運動不足になりがちですし、夏は水分不足、冬は冷えが原因で筋肉がけいれんを起こしやすくなっています。
高齢になるにつれこむら返りになりやすくなった、と感じている方は、「こまめな水分補給」、「バランスのよい食事」「ウォーキングやストレッチなど適度な運動」「身体(とくに足元)を冷やさない」を心がけるようにしましょう。
こむら返りになってしまったら、足の親指をつかんで身体のほうにゆっくりとひっぱってふくらはぎを伸ばすようにしてみましょう。そして次には足の甲からすねにかけて伸ばします。
これをゆっくりと繰り返すと筋肉のけいれんがおさまってきます。
水分・栄養をしっかりととって、冷えの対策をしているにも関わらず、こむら返りが続く場合には一度病院に行って診察を受けてみることをおすすめします。
もしこむら返りの原因が下肢静脈瘤や糖尿病などの病気によるものではない場合には、鍼灸治療も有効です。
こむら返りには、血流をよくして足の筋肉の緊張をほぐすことができる鍼灸治療が効果的です。
こむら返りを起こす筋肉だけでなく、全身の状態をみて治療をします。筋肉の異常は五臓の肝(≒肝臓)に深くかかわると東洋医学では言われています。肝を含めた五臓の状態をみて、バランスを整えます。
また鍼灸には自己治癒力を高めるという効果があります。
自己治癒力というとちょっと大げさになりますが、若いころは起こらなかったこむら返りが起こるということは一種の自己治癒力の低下ともいえます。
そこに着目して鍼灸治療をすると、今まで痛くて不快だった朝方のこむら返りとさよならできます。
一度の治療で効果が出ることもありますので、こむら返りで困っている方は一度お試しください。