軽度認知障害(MCI)

軽度認知障害(MCI)の症状と原因

軽度認知障害(MCI)をご存じでしょうか?

2018年10月からのTBSドラマ「大恋愛〜僕を忘れる君と」で、軽度認知障害(MCI)が取り上げられています。
軽度認知障害(MCI)と診断され若年性アルツハイマーに進行してしまう主演の戸田恵梨香さんと恋人役のムロツヨシさんとのラブストーリーなのですが、「毎回号泣してしまう」「考えさせられる」と話題になっていますね。

軽度認知障害(MCI)は認知症になる一歩手前の状態であることを指しています。
ドラマでは戸田恵梨香さん演じる尚は若年性アルツハイマーに進行してしまいますが、軽度認知障害(MCI)と診断されたからといって必ず認知症になるわけではありません。
MCIと診断された時点で適切な治療を行えば、状態が回復したり発症を遅らせたりすることができます。

厚生労働省が推進している「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」調査によると、2025年には認知症患者は約700万人まで増加すると言われています。つまり5人に1人が認知症の時代になるかもしれません。
また、軽度認知障害(MCI)の有病率や取材によりNHKが独自試算したデータでは、2025年には認知症と軽度認知障害(MCI)を合わせた患者数は1300万人に達するそうです。
65歳以上では、3人に1人が認知症もしくは軽度認知障害(MCI)である、そんな2025年を迎えることになるかもしれません。

軽度認知障害(MCI)の症状と特徴

軽度認知障害(MCI)とは

軽度認知障害は認知症の一歩手前の状態で、MCI(Mild Cognitive Impairment)とも呼ばれます。
軽度認知障害(MCI)では、認知症における物忘れのような記憶障害が出るものの症状はまだ軽く、正常な状態と認知症の中間と言えます。

軽度認知障害(MCI)

軽度認知障害(MCI)の特徴の確認

軽度認知障害(MCI)の診断方法はまだ明確に定義されていませんが、まずは軽度認知障害(MCI)の特徴を確認していきます。

これらに当てはまると、軽度認知障害(MCI)と診断されます。

軽度認知障害(MCI)の分類

認知症は、アルツハイマー型認知症がもっとも患者数が多くよく耳にする認知症の名称です。実は認知症には代表的なものとしては4つあり、それぞれ症状や症状に対する対応方法は異なります。

軽度認知障害(MCI)も認知症と同様に4つに分類されます。「記憶障害のありなし」でまず分けられ、「認知障害が記憶障害のみ」か「記憶障害がない場合認知障害が1領域のみか」で分類されます。

分類を行うことで、将来なりうる可能性が高い認知症がどの認知症なのかに気づき、適切な対策を早期に行うことで、状態を回復させたり認知症の発症を遅らせることができるのです。

軽度認知障害(MCI)の原因

認知症は、脳の働きの低下が原因で起こる症状です。現在のところ認知症の根本的な原因が解明されていません。

脳血管性認知症は、脳梗塞などが原因となり認知症症状が出現することがあります。
また、アルツハイマー型認知症の前段階であるアルツハイマー病では、異常なたんぱく質が脳に蓄積することで脳細胞が死滅し、記憶を司る海馬を中心に萎縮してしまいます。萎縮が広がっていくことでアルツハイマー型認知症が進みます。

認知症予備軍と言われる軽度認知障害(MCI)も認知症と同様に原因は分かっていません。

しかしながら、軽度認知障害(MCI)は早期発見・適切な治療と予防を行うことで、症状の進行を遅らせることが可能です。

軽度認知障害(MCI)の治療

現在は軽度認知障害(MCI)と診断されても投薬治療をすることはほとんどありません。

軽度認知障害(MCI)の症状を改善し認知症の発症を予防するために、日常生活の中でできることはたくさんあります。

コミュニケーション
いろいろな人と関わったり社会活動を続けたりコミュニケーションをとっていく
食生活や生活習慣病の改善
栄養のバランスを考え、野菜・青魚などを取り入れて1日20-30品目を食べる
定期的な運動習慣
ウォーキングやジョギング・水泳など有酸素運動はもの忘れ防止に効果的
脳トレーニング
頭をつかうゲームや楽器演奏など脳の前頭前野に刺激を与える

頭と体を同時に使う「ながら運動」がおすすめです。
頭で段取りを考えながら手を使って「料理をする」。
文章を読み、理解し、書く・読むこと同時に行う「音読」や「新聞のコラムを書き写す」こともよいでしょう。

軽度認知障害(MCI)と診断されると「認知症になるかも」と不安になってしまう方も多くいらっしゃいます。でも早期に発見できたことはとてもいいことなんです。早期発見・早期対策は治療の基本です。患者さま本人もご家族の方も前向きに考えて過ごしていくようにしましょう。

鍼灸治療で期待できる効果

脳を活性化させるツボについて、テレビ番組や新聞などのメディアで見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
ツボに鍼をしてそこに電気刺激を与えることによって脳の血流が上がるという報告がされています。また、鍼刺激によって、側頭葉や前頭葉の活性化しています。
(参考:鍼治療および生活習慣改善による認知機能の向上についてのランダム化比較試験 | 日本東洋医学雑誌

日常生活での軽度認知障害(MCI)への対策と並行して鍼灸治療を行うことで相乗効果が期待できます。

定期的な運動をしようと思っても、高齢者の方は「膝や腰が痛くて運動ができない」、という方もいらっしゃいます。
鍼灸により身体の不調を改善することで活動量を増やし、生き生きとした生活を送っていただくことで認知症の予防につなげていくことができます。

軽度認知障害(MCI)は、病院などで専門医にかかり診断をしてもらって適切な治療をしていくことが大切です。そのうえで湯川鍼灸院のMCI鍼治療を併用することでより認知症予防の効果が上がります。
もし、現在病院にかかっておられない方で「最近もの忘れが多くなった」など軽度認知障害(MCI)の心配がある方には信頼できる専門医をご紹介いたします。