腰椎分離症は、スポーツをやっている小学生高学年くらいから中学生くらい10歳代前半でよく見られる症状です。
10歳代前半はまだ身体がきっちりとできていない成長期です。
実は中学生のころバスケットボールをやっていた私も、陸上をやっていた私の妻も腰椎分離症の経験者です。
また、私にはサッカーをやっている息子と野球をやっている息子がいますが、ふたりとも中学生のときに腰椎分離症と診断されました。
一般の人では5%程度が腰椎分離症と言われています。活発にスポーツをやっている10代前半のお子さまに「腰が痛い」症状が見られたときはまず病院で診察してもらいましょう。早期発見・早期治療が大切です。
腰椎分離症では、腰(ベルトをつけているあたり)に痛みが出る場合と、お尻や太もものあたりに痛みが出る場合があります。
初期段階では、普段の生活をしているときには痛みがないけれども運動をすると腰が痛くなります。特に背中をそらす動作をすると痛みが強くなるのが特徴です。
10歳代前半は成長期です。成長期の子どもはどんどん身長が伸びる時期なのですが、骨の急激な成長に対して筋肉や骨の成長軟骨などはまだ発達していない状態です。
その状態で無理な運動をすると成長を妨げたり、疲労骨折を起こしたり、将来に影響が出ることになってしまいます。
成長期の身体がまだきっちりとできていないときに、ジャンプからの着地や腰の回旋などの動作を繰り返し行うことで、腰椎の後ろの部分に亀裂(ひび)が入って痛みが出ます。これが腰椎分離症です。
「ひび」は初期の段階で適切な治療をすれば治ります。しかし適切な対処をせずに無理を続けると、将来「分離すべり症」に進行していくことがあります。
腰椎分離症を発症しやすいスポーツは、野球・サッカー・バスケットボール・水泳と言われています。
病院ではレントゲン検査で診断します。
腰椎分離症と診断されたら、痛みがある間、スポーツなど激しい運動は休止してコルセットによる固定をし安静にします。
日常生活に支障が出るようであれば手術もあり得ますが、腰椎分離症があっても問題なく生活できる場合が大部分です。
コルセットでの固定期間が終了したら、腹筋・背筋など筋肉を強化するリハビリをしながらスポーツ復帰をしていくことになります。
安静と固定で腰痛がおさまっても、痛みが出たときと同じ身体の状態で、同じスポーツ・運動を再開すればまた痛みが出てしまいます。
そこで前述したように、痛みが出にくい身体づくり・筋肉強化を行う必要があります。
湯川鍼灸院では、腰部の過度な筋緊張をとること、股関節や腰のインナーマッスルの柔軟性を高めることによって運動に耐える身体づくりの治療を行っています。
鍼と灸による治療だけでなく高電圧治療器(ハイボルテージ電気刺激治療器)による治療のほか、ストレッチの指導をします。
私の息子たちをはじめ当院に来院する中学生は、腰椎分離症の治療で病院から言われた腰の安静期、適切なストレッチと無理のない体幹トレーニング、鍼灸治療を行いました。
特にストレッチを適切に行ったことで身体の柔軟性が増し、腰椎分離症の完治後スムーズにスポーツに復帰することができています。
早くスポーツ復帰をするため、安静期間中でも腰に負担をかけずに行えるトレーニングがあります。
病院での治療と並行して当院の治療を受けることで、成長期のお子さまに無理をさせることになく早期のスポーツ復帰が目指せます。